南スーダンPKO派遣、「われわれは祖国日本のために命をかけて本任務を必遂する。」

本日、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣される陸上自衛隊施設隊や、国連や現地の政府機関との調整に当たる現地支援調整所要員に対する隊旗授与式が7日午前、防衛省で行われた。

派遣隊員は11日から順次出国する。活動拠点となる首都ジュバにある国連南スーダン派遣団(UNMISS)敷地内に宿営地を整備しながら、道路や橋梁(きょうりょう)の補修などインフラ整備を担う。

今回派遣される坂間輝男施設隊長(2佐)はこの日のインタビューに対し「われわれは祖国日本のために信義と正義に基づいて命をかけて本任務を必遂する覚悟だ。」と答えた。

南スーダンでは最近、陸自部隊が活動予定の首都ジュバから約300キロ離れた東部ジョングレイ州ピボルで民族衝突による死者が3千人超に達したとみられるほか、南スーダン政府が同州で深刻な水・食料不足が発生しているとして「人道危機」を宣言するなど、不安定な情勢が続いている。
 同国からの報道によると、ジョングレイ州では昨年末以降、ピボルに主に居住するムルレ民族に対し、付近のロウ・ヌエル民族の武装グループが襲撃を繰り返していた。両民族は以前から家畜の牛の所有などをめぐって対立していたといい、地元政府当局者は、これまでに女性や子供を中心に3141人の遺体を確認したとしている。

独立前の南スーダンでは、2005年まで20年以上にわたり続いた内戦で多くの民族が敵味方に分かれて対立し、現在も遺恨が残っているほか、内戦中に出回った大量の武器の回収も進んでいない。

南スーダンの識字率は外務省の調べで2011年7月現在約27%、以前に派遣されたイラクの識字率は約75%だ。教育レベルの低さは体の大きな子供が大量の武器などで武装しているようなものだということを示している。
そういう意味では実際に武装勢力と会い対した時の危険性はイラクとは比べ物にならない。

今回の支援内容では現行の武器使用基準から正当防衛などに使用が制限され、何が起こるわからない、また短時間に状況が次々と変わる究極の場面で武器使用に関する多くの状況判断を行わなくてはならないことは隊員自身を非常に危険な状態さらすことになる。


UNMISSのオビ軍事司令官は、「自衛隊はわれわれが守る」と述べたそうだ。しかし、自衛隊は他国の軍隊が武装勢力に攻撃を受けている場面で加勢することはできない。
司令官の熱意に感謝はするが自らの身を他国の軍隊に守られなければならずその他国の危機には加勢することもできないことは、元自衛官の私としては自衛隊の誇りは深く傷つけられるものであると思う。

任務を付与するものは任務を達成できるように権限と資源を与えなければならず、できないのであれば任務を与えるべきではない。与えるとするならば無責任と断ぜざるを得ない。
少々表現はオーバーだが「竹槍で飛行機を突け」というのと同じであり、「われわれは祖国日本のために命をかけて本任務を必遂する。」という自衛隊員の覚悟に答えていることになるのだろうか。

国際貢献活動が多く行われる現状において武器使用緩和を行うことは急務でありそれが自衛隊員を派遣させる政治家の責任である。保身のために先送りをしてきたこの問題に向き合うべきだ。政治家になった暁には早急に着手する。

なにはともあれ、派遣される生田目徹現地支援調整所長(1佐)や坂間輝男施設隊長(2佐)ら派遣隊員約300人の任務達成と無事を祈るばかりである。


タグ:政治
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