国会の事故調査委員会最終報告のための論点整理内容を見て

昨日9日「事故調査委員会」が最終報告のための論点整理を発表しました。
一つ目は現場対応の重要な時期に菅元首相が原発を視察したり、また吉田処長の携帯電話に電話をしたり、官邸が現場に初歩的なことを幾度となく問い合わせたりしたことなどを取り上げ「オンサイト(発電所内)過剰介入し事故対応を妨げた」としました。
二つ目はスピーディーに未活用などを指摘し「官邸の情報伝達の遅れが初動において適切に対処できなかった」としました。
内容は「まさに人災だった」と言っているに等しく官邸にとっては厳しい内容です。
一つ目の内容を見て私は高倉健主演の「八甲田山死の彷徨」という映画を思い出しました。新田次郎原作で実際にあった遭難事故をノンフィクション小説にしてベストセラーになり、それが映画化されたものです。
旧陸軍の八甲田山雪中行軍の訓練において現場指揮官であった神田大尉の指揮を上級部隊指揮官の山田少佐が過剰介入し指揮を混乱させ、経路を間違えたり、無理な要求をしたりして結局部隊を遭難させてしまい210名中199名がなくなったというものです。ぜひ皆さんにも一度見ていただきたい。過剰介入がいかに現場を混乱させるかがわかります。
菅元首相は市民運動家ということもあり国家権力に対し個人の権利を確保するため戦う点では良いのかもしれないが、組織を熟知しておらず国という大きな組織を動かす指揮官としては不適だったのではないでしょうか。
これはもちろん元首相ご本人の責任もあるが、首相にした民主党政権にも大きな責任があるといえるのではないでしょうか。
二つ目のスピーディーですが、これを当時、そのまま公表することは大きなパニックを引き起こすという点では私も慎重な意見ですが、これに基づき速やかに避難計画を策定し対象地域にいた福島県民に対し避難を促すことは「国民の生命を守る」政府としては絶対にやらなければならないことだったと思います。
官邸の怠慢によりこれがなされなかったとするなら大問題ですが、枝野当時官房長官が言うように現場は錯綜し適切に情報を処理できなかったというのが実情ではないでしょうか。

このことからもわかるようにこれらは個人の能力で処理できる範囲を大きく超えています。よって次の2点早急に整備しなければならないと考えます。

一つ目は情報省の立ち上げです。
米軍で一番優秀な将校はまず情報将校になります。それは情報がそれだけ重要であり、情収集、処理、使用というのはスペシャリストでなければスムーズに行うことはできません。たま、それ相応の能力が必要です。国としては情報省を立ち上げスペシャリストを養成するとともに、普段から態勢を整備しておく必要があると考えます。
二つ目は非常事態省の立ち上げです。
永田町で見ていてわかったことは、日本には非常事態に対処する態勢の準備がなく、今回の対応は平時の態勢で対処したというのが事実です。権限を集中し省庁横断的に迅速に状況判断し決定していかなければならなかったにも関わらず、権限の集中は行われず省庁縦割りで動きが鈍かったのが実際です。
よって、これを是正するため平時から非常事態に備え対処する組織を整備し、事態に応じて権限を与え対処させるようにしなければならないと考えます。
今回の東日本大震災では500km海岸線が瓦礫と化し、2万人近い方々が亡くなったり行方が分からなくなったり、福島では故郷を追われた方々が今も大勢います。
この犠牲、苦痛に報いるためにも上記のことを進めなくてはなりません。次なる災害は待ってはくれません。一刻も早く動き出すことが今回の教訓をとらえ次に生かすことになるのだとおもいます。
私もこの一助となるべく全力を尽くすことを皆様にお誓い申し上げます。

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